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マツカワ(タカノハ)特集 ~第三章~

~はじめに~
第二章を紹介してからかなり日が経ってしまった事をお詫びいたします。
何とかマツカワが釣れる最盛期の7月までには、最終章まで紹介したいと思いますので
よろしくお願いします。


それでは第三章ではマツカワの生態の続きを特集します。
ここでは繁殖生態と移動範囲、食性や異体の実態などを紹介します。


第一章はマツカワの外観と形態を紹介しています。
第二章ではマツカワの生態の内、生息場所や分布などを紹介しています。
よろしければこちらからどうぞ↓

【マツカワ(タカノハ)特集 ~第一章~】

【マツカワ(タカノハ)特集 ~第二章~】


1.マツカワの繁殖生態について

「マツカワはいつ、どこで育ち(成熟し)、そして産卵するのか」実のところこれについてはほとんどわかっていません。実際に成熟個体の漁獲はまれであり、フィールド調査だけで繁殖メカニズムを類推するにはまだまだ情報が足りない状況です。ここでは北海道水産試験場での飼育実験の成果に基づいた仮説の内容を簡単に紹介します。

マツカワの産卵期
雄の生殖可能時期は2月~4月、雌の卵巣の最終成熟は3月~4月、排卵は3月下旬~5月。マツカワ雄が成熟するためには秋から冬にかけての水温低下が必須条件。雌が生殖可能となるためには春季に低水温状態から徐々に昇温するという刺激が不可欠。両方の条件が揃った時期でなければ繁殖できないので、水温が最低レベルまで下がった後に徐々に上昇する時期、やはり産卵期は春季だと想定できます。

マツカワの繁殖加入年齢
漁獲物を調査した結果、雌では全長50㎝以上、雄では36㎝以上の個体で生殖腺の発達が認められています。繁殖加入年齢は雌で4~5歳、雄で3歳と推測されます。
一方、飼育条件下では雌で満3歳になった4月が初回産卵のピーク。水温別の飼育実験結果では、マツカワ雌が産卵するための成長ボーダーラインは(4月の時点で)全長47cm、放流魚は飼育魚より成長が遅いので、繁殖加入年齢はおそらく雌で4歳、雄で3歳以後と思われます。(漁獲物の繁殖加入年齢と一致)

マツカワの産卵特性
雌は一回あたり平均10万粒の卵を2~4日間隔で放出(排卵周期が平均3.5日間隔であることが起因)、産卵時刻のピークは午後11時~翌朝2時となったので深夜から早朝にかけての産卵となる。受精が成功する為には少なくとも卵放出の30分以内に雄が放精しなければいけない。卵と精液の放出地点の距離は1m以内が条件(2mでは受精率が激減)以上の内容からマツカワが産卵するためには雌雄のペアリングが不可欠となります。
(以上北水誌だより70(2005)より引用、編集)


2.マツカワの移動範囲について

噴火湾及び日高海域で放流したマツカワの再補場所のデータによると、放流マツカワの移動範囲は2歳魚まではほとんどが放流海域にとどまることが分かりました。噴火湾内での放流実験結果によると、3歳以降は放流海域での再補率は15%に対し、太平洋西部(南茅部からえりも岬沖までの海域)では40%近くあり、噴火湾から太平洋沿岸に分散しています。また、道外太平洋で30%が再補されていました。

年齢別では放流海域は2歳魚のみ、3歳魚は太平洋西部や道外太平洋、4歳以上は道外を含む太平洋岸などの広い範囲で再補されています。(図.1参照)これらのことから、成長して魚体が大きくなるにつれて、より遠くまで移動していることがわかります。
図1.再補魚の年齢と再補海域
(北水誌だより 68(2005)より引用、編集)

どれくらい遠くまで移動するか(再補結果)
噴火湾から放流したマツカワを海域別に見ると、最も遠くは道西日本海では岩内町沖、道東太平洋では釧路市沖、本州太平洋では茨城県沖で再補されました。再補数は茨城県沖が一番多く最短日数は35日の3歳魚でした。
日高海域から放流したマツカワについては、道西日本海では石狩市(旧厚田村)沖、道東太平洋では別海町沖、本州太平洋では茨城県沖で再補されました。再補数は噴火湾と同様に茨城県沖が一番多い結果となりました。(図.2参照)
図2.マツカワ移動ルート図


どれくらい深いところまで分布するか(再補結果)
深いところで再補されたベスト3は、1位が水深630m、2位が水深533mでいずれも新冠町沖で再補され、3位は525mで福島県沖で再補されました。いずれも日高から0歳で放流されたもので、再補年齢は1~2歳と若齢でした。
(北水誌だより 74(2007)より引用、編集)

本州海域で再補されるマツカワの特徴
最近の研究結果により、北海道沖では、0 ~ 6 歳、全長70~ 659 mm の個体が周年再捕されるのに対して、青森県から茨城県までの本州沖での再捕は、主に12 ~ 5 月に、2 ~ 5 歳、340 ~ 609 mm の個体がほとんどを占めていました。これら本州沖での再捕の特徴は、いずれも成熟年齢、成熟体長、産卵期に相当していて、産卵行動との強い関連性が想起されます。また、近年、東北沖で漁獲された成熟個体のなかにも、北海道で放流された種苗が多数含まれていること、福島県沖では放流種苗と思われる成熟個体が春先に集中して漁獲されていることが明らかとなっています。これらのことも考慮すると、本種の本州沖への移動は産卵回遊の可能性があります。
(水産技術,3(2), 121-126, 2011より引用、編集)


3.マツカワの食性

再補されたマツカワ放流魚の胃内容物の調査結果
(調査対象1,202尾、全長35~532mm)
胃内容物として出現した生物
アミ類、コツブムシ類、エビジャコ類、その他の十脚類、魚類、その他(多毛類、巻貝、二枚貝等)

稚魚期には主にアミ類を摂餌し、成長に伴ってエビジャコ類を主要な餌料とするようになり、成魚では魚類の割合が増加するというのが、本種の基本的な成長に伴う食性の変化である可能性が示されました。
(日本水産学会誌69(1)3-9(2003)より引用、編集)

実釣結果による胃内容物
実際に釣上げられたマツカワの胃内容物の中で多いのは、エビジャコ類と小ガニ、それと魚の稚魚でした。(肉眼で形が確認できるもの)写真は平成22年に釣り上げたマツカワ43センチの胃の中身です。おそらくイワシと思われる魚の稚魚と、小ガニが確認できると思います。
マツカワ胃内容物


4.マツカワの異体について

現在、マツカワは天然仔稚魚の生態や形態に関する知見が十分ではなく、着底・生育場も不明です。飼育条件化の仔魚については、ふ化直後から変体終了期までの形態変化、相対成長が報告されていて、これによるとマツカワの初期生活様式は、おおむねヒラメやホシガレイに類似しているものと考えられています。飼育下の異体類に見られる眼位や体色の形態的な異常は、近年、変態の異常であることが明らかにされています。マツカワにおいても、変態期をいかに管理するかが大きな課題となっています。(異体とは、眼位異常(逆位含む)、体色の異常を伴った白化、両面有色個体などの形態異常の魚体)
(マツカワ栽培漁業研究の歴史2 2007より引用、編集)

写真は2枚とも数年前に釣ったマツカワの釣魚写真(うち1匹が左目であった)
マツカワ左目-1 マツカワ左目-2

去年スーパーで買った左目のマツカワ
タカノハ左目

2009年に釣れた縞模様のないマツカワ
縞なしタカノハ無眼側 縞なしタカノハ有眼側



まとめ

以上で第3章を終わりますが、まだまだマツカワの生態では謎の部分も多いようです。現在も試験放流したマツカワを回収し、データを分析する事で生態が少しずつ明らかにされていっています。2010年12月にはマツカワの回遊ルートを調査するため専用のタグ(記録装置)を装着したマツカワの成魚(体長40~50センチ)が苫小牧沖から放流されました。また、天然マツカワの生態を知るために、北海道太平洋の各地で古老の漁業者や漁協職員の方々から聞き取り調査を行っています。なお、聞き取り調査の詳しい内容についてはこちらを参照して下さい。(マリンネット北海道/試験研究は今№592より)

これらの地道な努力により、マツカワの生態が一日でも早く解明されて、自然繁殖により安定した漁獲量を確保できるようになる事を一釣り人として祈っています。
次章では、マツカワの放流、再補結果や無眼側体色による雌雄推定、釣り実験等を紹介する予定です。



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コメント

§

ブログ作りました

http://blog.goo.ne.jp/ayako_1957

チェっクしたら消しといて

§

ちょっとちょっと、これってまずくないかい?
だって岩手・宮城越えて福島まで脚延ばしてるし
今年のマツカワは釣れてもリリースだね
福島じゃ放射能汚染された海底土壌で捕食しているだろうし
「東電様、我家の食卓も補償の対象でしょうか」って確認しておいた方が
いいんじゃない?

§ 見ましたよ~

龍さん、

ブログ開設、おめでとうございます。
苫小牧での釣果情報、期待してますよ~
42のクロガシラ、見事ですv-424

§ ちょっとまずいですね

keyさん、

北海道で放流されたマツカワが、福島沖で産卵する・・・
この仮説が本当ならちょっと怖いですよね。
こんなところにも影響が出ているかと思うと、
このままで済まされるものでは無いですね。

マツカワ、ババガレイに限らず、マグロ、ブリなどの回遊魚も
少なからず影響を受けているのかもしれません。

§

う~ん・・・
勉強になりました。
いつの日か稚内界隈でマツカワが釣れる日が来れば・・・
な~~んて、妄想が脳裏を過ぎりました・・・(笑)

§ 近い将来

とどさん、どーもです。

そうですね。
マツカワの放流事業が軌道に乗って、
道北や道東の漁協でも放流するようになれば、
北海道の沿岸全域でマツカワが釣れる日が来ると思いますよ。
食べても美味しい魚なので商品価値も高いのですから、
可能性はかなり高いんじゃないかな。

あ、それと例のブツ、今日届くと思います(笑)

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